高速船クイーンビートル “浸水隠し”は前社長の指示 “裏管理簿”作成も 「安全管理体制が機能していなかった」 JR九州と運航会社が謝罪会見
事件・事故
2024/08/14 11:00
福岡と韓国・釜山を結ぶ高速船「クイーンビートル」が船体の浸水を隠して運航を続けていた問題で、13日に就任した運航会社・JR九州高速船の社長らが会見を開き、謝罪しました。
14日午前11時から開かれた会見には、13日付でJR九州高速船の社長に就任した大羽健司氏、親会社のJR九州から総合企画本部長の松下琢磨取締役と山根久資 総務部長が出席しました。
冒頭、JR九州の松下取締役は「グループ会社・JR九州高速船において、安全確保に関する重大な問題を発生させてしまいました。関係の皆様、多くのステークホルダーの皆様、そして監督官庁である国土交通省の皆様、多くの皆様にご迷惑とご心配をおかけし、何より夏休みに入り旅行等で楽しみにしていた多くのお客様のご期待を裏切ることになってしまいました。誠に申し訳なく思っております。この場を借りてお詫びを申し上げたいと思います。本当に申し訳ございませんでした」と語り、3人で約20秒間、頭を下げ謝罪しました。
14日午前11時から開かれた会見には、13日付でJR九州高速船の社長に就任した大羽健司氏、親会社のJR九州から総合企画本部長の松下琢磨取締役と山根久資 総務部長が出席しました。
冒頭、JR九州の松下取締役は「グループ会社・JR九州高速船において、安全確保に関する重大な問題を発生させてしまいました。関係の皆様、多くのステークホルダーの皆様、そして監督官庁である国土交通省の皆様、多くの皆様にご迷惑とご心配をおかけし、何より夏休みに入り旅行等で楽しみにしていた多くのお客様のご期待を裏切ることになってしまいました。誠に申し訳なく思っております。この場を借りてお詫びを申し上げたいと思います。本当に申し訳ございませんでした」と語り、3人で約20秒間、頭を下げ謝罪しました。
この問題は、JR九州高速船が運航する「クイーンビートル」船体の浸水を今年2月に把握しながら必要な国への報告を行わず、約4カ月間運航を続けていたものです。
国からの抜き打ち監査で船内の浸水センサーの位置をずらし、データを改ざんしていたことも明らかになり、クイーンビートルは13日から当面の間、運休しています。
親会社のJR九州は、事態を重く見て、13日付で田中渉前社長を解任(取締役に降格)してました。
国からの抜き打ち監査で船内の浸水センサーの位置をずらし、データを改ざんしていたことも明らかになり、クイーンビートルは13日から当面の間、運休しています。
親会社のJR九州は、事態を重く見て、13日付で田中渉前社長を解任(取締役に降格)してました。
14日の会見では、今回の問題について、
・去年2月、船体への浸水が認められたにも関わらず国土交通省への報告を怠った
・日々の異常の有無を報告する「航海日誌」「メンテナンスログ」等に記載せず、別途、表に出ない形で浸水に関する管理簿を作成していた
・今年5月に警報センサーの位置をずらしていた
ことが改めて説明され、いずれも田中前社長が把握し、2月に国交省へ報告をしなかったのは田中前社長の指示だったということです。
・去年2月、船体への浸水が認められたにも関わらず国土交通省への報告を怠った
・日々の異常の有無を報告する「航海日誌」「メンテナンスログ」等に記載せず、別途、表に出ない形で浸水に関する管理簿を作成していた
・今年5月に警報センサーの位置をずらしていた
ことが改めて説明され、いずれも田中前社長が把握し、2月に国交省へ報告をしなかったのは田中前社長の指示だったということです。
またJR九州高速船の大羽新社長は「一連の状況は安全管理体制が機能していなかった。安全風土が定着していなかった、安全意識が浸透しきれていなかったのが根本のところ。私のやるべきことは、まず安全風土を根付かせて、安全意識をしっかり浸透させる、というところだと思う。行動で信用信頼を取り戻していきたい」と語りました。
今回の会見で、JR九州が明らかにした問題の経緯のうち、2024年以降の主な内容は以下の通りです。
<2024年>
2月12日 少量の浸水を確認したものの、九州運輸局に報告せず
2月12日 浸水量に関する管理簿を作成、以降、浸水を認めた場合は浸水量を管理簿に記載する一方で、航海日誌、メンテナンスログ等には「異常なし」と記載
2月20日 ボートでの外板チェックの結果、喫水線より上部に疑わしい箇所を発見
(※「喫水線」:船体が水に浮いた時の水面際の線、「満載喫水線」:船が貨物などを積んだ時,船体の水中沈下が許される最大限度の喫水線)
5月27日 博多港帰着時のチェックで浸水量が増加したことを確認
5月28日 浸水警報が鳴動しないよう警報センサー位置を上部にずらす
5月30日 浸水量が更に増加、浸水警報が発動したため、九州運輸局へ報告
5月30日 運航停止・ドック入渠(にゅうきょ)
7月11日 運航再開
8月6日 国土交通省がJR九州高速船を監査。乗務員の聞き取り調査を実施した結果、浸水を九州運輸局へ未報告であることが発覚
8月7日 国土交通省によりJR九州高速船社長他取締役への事情聴取の結果、本件事象を確認
8月13日 運航停止
<2024年>
2月12日 少量の浸水を確認したものの、九州運輸局に報告せず
2月12日 浸水量に関する管理簿を作成、以降、浸水を認めた場合は浸水量を管理簿に記載する一方で、航海日誌、メンテナンスログ等には「異常なし」と記載
2月20日 ボートでの外板チェックの結果、喫水線より上部に疑わしい箇所を発見
(※「喫水線」:船体が水に浮いた時の水面際の線、「満載喫水線」:船が貨物などを積んだ時,船体の水中沈下が許される最大限度の喫水線)
5月27日 博多港帰着時のチェックで浸水量が増加したことを確認
5月28日 浸水警報が鳴動しないよう警報センサー位置を上部にずらす
5月30日 浸水量が更に増加、浸水警報が発動したため、九州運輸局へ報告
5月30日 運航停止・ドック入渠(にゅうきょ)
7月11日 運航再開
8月6日 国土交通省がJR九州高速船を監査。乗務員の聞き取り調査を実施した結果、浸水を九州運輸局へ未報告であることが発覚
8月7日 国土交通省によりJR九州高速船社長他取締役への事情聴取の結果、本件事象を確認
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